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対談
伊藤 もう終わり頃はね、勘です。ここの駅を降りる。そしてバスに乗って終点まで行って戻ってくる。突き当たりの終点に行くまでにね、左右を見て「あの家が良さそうだ」と目を付ける。そうして帰りのバスに乗るわけよ。で、そこへ寄るんです。
内藤 いつも二川さんは一緒ですか。
伊藤 一緒じゃない。二川さんと一緒の時は滅多になかった。
内藤 そうなんですか。僕は一緒に回られたんだと思ってました。
伊藤 そうじゃない。
内藤 先生が行かれて“ここだぞ、ここ掘れワンワン”みたいなもんですか(笑)。
伊藤 二川さんは二川さんで撮りたい写真を撮ってくるわけ。僕は僕で行きたい所に行っているわけです。
内藤 じゃあ先生の行かれた所を二川さんが撮っているというわけでもないんですか。
伊藤 そういうこともあったけど、原則的には適当にやっていた。それがね、不思議と合うんですよ。
内藤 それは二川さんもさる者、なかなかですね。
伊藤 そうよ。二川さんは、なかなかの人だもん。
内藤 もともと二川さんと先生の出会いというのは、東京に戻ってきてからですか?
伊藤 あのね、別に2人は知り合いでも何でもなかったの。僕が工学部の1号館の3階にいたら、ある日突然「伊藤さん」と言って、二川さんが訪ねて来たの。で、「一緒に民家の仕事をしよう」と言われたんです。それで決まったんです。
内藤 いきなりですか。
伊藤 いきなり。「そりゃいいね」ということになって。
序論・コラム
序論 建築史家/倉方俊輔氏
コラム1 建築家・神奈川大学 教授/曽我部昌史氏
コラム2 東京大学大学院 准教授(社会基盤学専攻)/中井 祐氏
左写真上から:『日本の民家』全巻ケース、『現代建築愚作論―現代における都市と建築に関する考察』八田利也著(彰国社 1961)
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